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ビッグ・エー社長のつぶやき

論理的思考トレーニング2017.08.08.Tuesday

新聞の広告欄に『論理的思考力を鍛える33の思考実験』という本が紹

介されていて、少し興味が湧いたので読んでみました。

 

思考実験とは、ある特定の条件の下で考えを深め、頭の中で推論を重ね

ながら自分なりの結論を導き出していく、思考による実験とのことです。

 

最初の思考実験は、サンデル教授の『ハーバード白熱教室』でも取り上

げられ有名となった『暴走トロッコと作業員』でした。

 

 線路の切り替えスイッチのそばにいるあなたは、とんでもない光景

 を目の当たりにしてしまいました。

 あなたの右方向から石をたくさん積んだトロッコが猛スピードで暴

 走しています。ブレーキが故障しているのか明らかに異常なスピー

 ドです。

 とうてい今から止めることはできません。ただ、線路の切り替えを

 行えば進行方向を変えることができます。

 

 線路の先には5人の作業員がいます。5人ともトロッコにまったく

 気づいておらず、おそらく避けることはできないでしょう。このま

 まではトロッコが突っ込み、5人は死んでしまいます。

 

 あなたは、切り替えスイッチの存在に気づき、これを切り替えて5

 人を助けようと思い立ちます。あなたは切り替えスイッチに近づき、

 勢いよくスイッチに手を伸ばします。

 

 しかし、何ということでしょう。あなたは一瞬、切り替える先の線

 路のほうに目をやり、様子を確認しました。すると、視線の先には

 1人の作業員がいるではありませんか。スイッチを切り替えれば、

 この1人の作業員が死んでしまいます。

 

 あなたは、この6人の作業員と面識がなく、6人とも何の罪もない

 人です。ただ、悲惨な現場に居合わせてしまっただけです。あなた

 もまたこの現場に居合わせてしまっただけで、そこにスイッチさえ

 なければ、ただの傍観者の1人です。

 

 実際には「5人もいれば誰か気づくだろう」とか、「大声を出して

 危険を知らせる」とか、いろいろ方法を考えてしまうところですが、

 ここではスイッチを切り替えること以外あなたにできることはなく、

 作業員は皆トロッコの暴走に気づいていない状態とします。

 

 あなたは、スイッチを切り替えますか?

 それともそのままにしますか?

 

この思考実験では、85%以上の人が「スイッチを切り替え、1人を

犠牲にして5人を助ける」と回答するそうです。

逆に、少数派の意見としては、「もともとトロッコは5人に向かって

走っていて、犠牲になる運命にあった。もう1人の方は、進行方向と

関係のない位置にいるのだから、この人を巻き込むのは間違っている。

スイッチを切り替えれば、この人をわざわざ殺しに行くことになる」

というもので、人の運命を自分が操作してしまうことに抵抗を感じる

ようです。

 

どちらかが正解で、もう片方が間違ているというような明確な答えは

ないとのことでしたが、シンプルながら倫理観を問われる深い思考問

題でした。

 

続いて興味深かったのが、アメリカの人気TV番組の中の1コーナー、

駆け引きゲームから派生して起こった『モンティ・ホール問題』です。

 

 A・B・C、3つの扉があります。このうちプレイヤーが1つの

 扉を選択し、それによって景品がもらえるというゲームです。

 3つの扉のうち1つの扉の先には豪華な車があり、この扉を選

 択すれば車を手にすることができます。残り2つの扉はハズレ

 です。

 

 さて、ゲームスタート。プレイヤーであるあなたは、Aの扉を

 選んだとします。

 すると、司会者であるモンティ・ホールが演出として残り2つ

 の扉(BとC)のうち1つを選んで扉を開けます。

 このとき、モンティ・ホールは正解を知っており、必ず不正解

 の扉を開きます。もし、Aの扉が正解であるとすると、不正解

 の2つの扉からランダムに1つを開きます。

 仮に今回、Cの扉を開いたとします。もちろんハズレの扉です。

 これで、車のあるアタリの扉はAかBとなります。選択肢が3

 つから2つに減ったわけです。

 

 そして、モンティ・ホールがあなたに語り掛けます。

 「選ぶ扉を変えてもいいですよ」

 今ならBの扉に選択を変えることができるということです。

 さて、選ぶ扉を変えたほうがいいのでしょうか?

 

 思考を巡らせてみて下さい。AとB、どちらの扉を選択した方

 が車を当てる可能性が高まるのでしょうか?

 

実際の番組では、最初の選択を変えないプレイヤーが多かったそう

です。その理由は、2つのうち1つがアタリだから、確立は半々。

モンティ・ホールの言葉に惑わされて選択を変えてしまって外した

ら悔しい。自分の選択で外れた方がマシ、というものでした。

しかし、直感的にはそうかもしれませんが、数学的には選択肢を変

えるのが正解なのです。AとBの確率は異なり、プレイヤーは選択

肢を変えた方がアタリの確率が2倍になるのです。

 

この他、『テセウスの船』や『アキレスと亀』、『ギャンブラーの

葛藤』、『共犯者の自白』など、全部で33の思考実験が収められ

ています。

著者も「物語やトリックのような世界を楽しんでいるうちに自然と

論理的思考が鍛えられ、思考の中の新たな発見や気づきが生まれる

ことに気がつくでしょう」と書かれていましたが、ロジカルシンキ

ングを体感でき、日々の意思決定にも役立つ一冊だと思いました。