社長のつぶやき
2019年3月11日
「データでみる 安全な国 日本」
先月、他界されてしまった堺屋太一さんに、昨年初めてお会いする機会に恵ま
れました。
経済企画庁長官も歴任され、『団塊の世代』という言葉を創られたことでも有
名な方ですが、名刺交換の際、「今度、事務所に来て下さいよ。色々お話しま
しょう」と、私などに対してもとても気さくに声をかけて下さいました。
そして、先日机を整理していると、その時に頂戴した『データでみる 安全な
国 日本』という冊子が出てきました。
それは、堺屋太一さんが会長を務められていた公益財団法人アジア刑政財団が
発行されたものです。
凶悪な犯罪や凄惨な事故、社会を汚す不正など、そうしたことが毎日のように
報じられていますが、「珍しいことほど大きく報道される」のは世の常であり、
今、幸いにして日本は「世界で最も安全、安心、正確、清潔な国」の一つで、
日本に住む人たち、日本を訪ねる人々、日本に友人知人を招こうとする方々に
誇りを持ってこのことを語ってもらいたいと堺屋太一さんが責任編集としてま
とめられました。
日本では、刑法犯が15年以上連続で減少し、2000年初頭と比べると3分
の1の水準にまで減っています。
刑法犯もその7割が窃盗で、その内の3割が自転車泥棒となっていて家屋への
侵入盗は非常に稀なのだそうです。
刑務所収容比率も日本は世界でも最少レベルで、最も多いアメリカは実数で日
本の38倍、人口当たりでも14倍にもなるそうです。
また、交通事故も人口10万人当たり3.1人、自動車保有台数1万台当たり
では僅か0.4人と西欧諸国で最も安全な部類に入っているそうです。
また、安心(犯罪の少なさ)、安全(事故の少なさ)に加えて日本が誇るべき
は「正確」だとも書かれていました。
中でも優れているのが列車の運行、東海道新幹線は地震や台風など自然災害に
よる遅延を含めて1列車当たりの遅れは平均24秒です。最高時速285km
で、1時間に最高15本、4分間隔で運行できているのが何よりの正確さの証
拠だとありました。
列車に限らず、日本の航空機運行や郵便、宅配便も世界屈指の正確な水準にあ
り、それそれが当たり前になっているのです。
他にも、汚職の少なさに見る清潔さ、警察に届けられた忘れ物をしたという
「遺失物届」よりも忘れ物を見つけたという「拾得物届」の方が多いことな
ど、堺屋太一さんの言われる「日本は安心で安全で正確で親切な国」が数値
データで示されています。
堺屋太一さんは、数多くの博覧会をプロデューサーとして手掛けられたこと
もあり2025年の大阪万国博覧会や、著書『平成三十年 ~何もしなかっ
た日本』における人口危機に関する先見性が、逝去された後もクローズアッ
プされることが多いのですが、改めてこの冊子を読み直してみて、堺屋太一
さんの日本愛、日本人としての誇りを強く感じました。
母国をそのように考えられることがどんなに幸せなことだろうか、本当に素
敵なことであると思いを馳せ、自身もそうでありたいと感じた次第です。
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