社長のつぶやき
2016年9月21日
いい努力 悪い努力
また、すごい本と出会ってしまいました。
『いい努力』(山梨広一著 ダイヤモンド社)です。
イントロダクションから、
成果を出すことが目的であれば、成果につながらない資料をつくったり会議した
りするのは時間のムダだ。社内手続きや上司の思惑など、最終的なゴール以外の
ことに対して多大な時間と神経を使うのは「悪い努力」となる。
成果が出ない不毛な頑張りを強いたり、「なんでこんな遠回りをしなければなら
ないのか」と優秀な人の意欲を下げたり、組織を機能不全に陥らせたりする「悪
い努力」とはどのようなものか?
とはじまります。
全編を通じて、「いい努力」への、心理的・物理的なセットアップの仕方やマインド
セット、思考法、時間術、行動法、チーム力の活かし方、リーダーシップ、会議術
など超実践的なアドバイス75項目が、わかりやすい文章でシンプルに書かれており
「なるほど!」「確かに!」の連続で唸らされました。
例えば、
・「時間=努力」の錯覚から抜け出す(悪い努力=「残業=努力」と思い込んで働く)
・「残業=機会損失」と考える
長時間勤務の多くの時間が、本質には関係のないことや結局成果につながらない
ような作業に費やされることが多く、その時間を仕事以外にでも他の有意義なこ
とに使った方が大きな成果や目覚ましい成長につながる。
・「煩瑣な手続き」の壁を乗り越える(悪い努力=「プロトコル至上主義」に屈する)
・「ルーティン化」に陥らない
ルーティン化の理由は、「慣れ」と「ラク」にあり、「無難」を意識したときに
も生まれる。「過去にやっていたことならOK」となり前例主義、昨対思考とな
って「悪い努力」につながってしまう。
・1週間に一度、「流れ」を止める(悪い努力=同じペースでひたすら働く)
・ミーティングはムダを削り、密度濃く
多くのビジネスマンが「会議が多いせいで時間がない」と言う。でも、実際は
ムダな時間も多く、資料説明や雑談を排除できれば、時間が短くなるだけでなく、
集中できる分、議論も濃くなる。
・「ヒドゥンアジェンダ」を捨てる(悪い努力=裏目的の達成に労力を費やす)
・早さと速さのスピードを上げる
「早さ」とは、誰よりも早くスタートを切るという先進性を持つということ。
「速さ」は、処理スピードであり、時間を限って、スピーディに仕事をやり続
けなければ、いつまでたっても遅いままで、スピードは上がらない。
・議論は紛糾しなければならない(悪い努力=すんなり提案を通すことに尽力する)
・「みんなの力」で議論を進化させる
個々の意見を引出し、その意味合いを解釈、整理して議論の結果を形づくる
優れたファシリテーターが生産性の高い議論を生み出す。ただの司会者と
ファシリテーターの違いは、アナウンサーとキャスターのようなもの。
その他にも、
著者が25年間務めてきたマッキンゼーにおける重要な評価ポイント
「仲間をレバレッジし、自分もレバレッジされる」
ということなども紹介されていました。
これは、人に貸せる能力があるか、人に「力を借りたい」と思わせる実力があるか、
そして、ここが興味深かったところなのですが、人から借りた力を活用して成果を
最大化するオープンさがあるかが問われるということだそうです。
ビッグ・エーで働く一人ひとりに、成果と成長、充実感と生産性につながる
「いい努力」が発揮できる環境を創っていきたいと思いました。
そして、自分自身も常に「いい努力」を意識して事業に当たりたいと思いました。
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