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社長ブログ

社長のつぶやき

2022年1月3日

こいつあ春から縁起がいいや

 「この人、ほんますごいなあ」とか「天才
やなあ~」と尊敬するような方に遭遇すると
心から幸せを感じるのですが、まさに出会っ
てしまいました。言語学者の川添愛さんです。
 出会ったといいましても直接ではなく本な
のですが、著書『言語学バーリ・トゥード』
は抜群におもしろい、絶品です。

 この本は、東京大学出版会が毎月発行して
いる冊子『UP』に掲載されたエッセー12
回分と書き下ろし4回分の16のトピックス
から成っているのですが、文章にテンポがあ
り、言葉選びが秀逸な上、随所にプロレスや
芸能、ゲームなどの話題やユーモアが散りば
められていて至る所で笑ってしまいました。
 「バーリ・トゥード」とはポルトガル語で
「何でもあり」の意味で総合格闘技と同意語
で使われていますが、何が飛び出すかわから
ない闇鍋のような趣の一冊です。

 それでいて、言語学の知見がするすると紹
介されいて内容は深くとても為になりました。
 例えば、言葉自体の「意味」と相手に伝え
たい「意図」の違いについては、ダチョウ倶
楽部・上島竜兵氏の「絶対に押すなよ!」で
解説されています。
 「絶対に押すなよ!」は、意味と意図が正
反対で、文字通りの意味は「押すな」ですが、
熱湯風呂のふちで口にする上島竜兵氏の意図
は「押せ」であることは誰もが知るところで
す。そしてこれをAIは理解できるのか考察
されていて興味深かったです。

 また、国語の授業でも教えるのが至難の業
とされている「は/が」の問題については、
松任谷由美さんの名曲『恋人がサンタクロー
ス』はなぜ『恋人はサンタクロース』ではな
いのかという事例で検証されています。しか
も川添さんはいきなり結論に行くことなく、
言語学者としてどう考えたのか、その思考プ
ロセスを見せてくれます。専門家は理路整然
と結論に向けて一方的に詰められることが多
いのですが、川添さんは右往左往した思考の
過程、あっちこっち寄り道した道程まで示さ
れ、人間味の溢れる文章となっていて楽しく
勉強させてくれます。

 そして、この本を読み終えると「こいつあ
春から縁起がいいや」と気分をアゲてもらえ、
とても楽しみな一年の幕開けとなりました。
 今年も沢山の尊敬する方に出会えられるよ
う精進したいと思います。

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