社長のつぶやき
2017年7月27日
テニス < 卓球 < バドミントン
昨日、とても尊敬している一橋大学大学院国際企業戦略研究科の
楠木建教授からお話を伺う機会がありました。
本もですが、楠木先生のお話は何度聴いてもうならされます。
今回も興味深いお話の連続でした。その中で印象に残ったのが、
<そもそも資源の制約がないのであれば、戦略なんか要らない。
でも、どの企業にも資源制約はあるので、戦略が必要になる。
戦略は、簡単に言うと「競争他社との違いをつくること」で、
裏を返せば『何をやらないか』はっきりさせることで、選択
と集中が図られて、他社との違いを持続させることができる。>
と、いうお話で“DELL”コンピューターの
・先端技術を追わない
・注文生産(見込み生産しない)
・直販(小売チャネルを使わない)
・基本モデルの種類を増やさない
・組立工程でアウトソーシングしない
・特定少数サプライヤーとの長期取引(スポット取引しない)
の事例を挙げられました。
私は、お話を伺いながらビッグ・エーが創業時からお手本にして
いるドイツ“ALDI”の『アルディべからず集』
①経営幹部の知的作業を軽減するためのスタッフを設けない
③外部に委託して市場調査を行わない
④経営コンサルタントを雇わない
⑤予算の予測を行わない
⑪販売地域や店舗によって売価政策を変えない
⑫店舗ごとに品揃えを変えない
⑭利益極大化のために”品質改善ゲーム”に参加しない
⑯心理学的な消費者の購買行動分析に基づいて、
売り場のゾーニングを決定しない
⑰豪華なオフィスを持たない、高級な社有車を購入しない
⑲広告をしない
と、いった『何をやらないか』の21のルールが頭に浮かび
「なるほど」と思いました。
また、
<ストーリーとしての競争戦略とは、『違い』をつくって、
『つなげる』こと。
それは、商売に限っていえば「あっと驚く大発見」や「誰
も知らない秘密の花園」はあり得ない。成熟経済下では、
あからさまなオポチュニティはそうそうない。当たり前の
ことを当たり前にやる。「飛び道具」や「必殺技」はない。
大切なことほど「言われてみれば当たり前」
《中略》
『違い』の正体は、個別の構成要素でなく総体としての
「ストーリー」にある。
でも、単発の静止画だとストーリー(話)にならない。
構成要素を『つなげる』、それも単なる「組み合わせ」
ではなく「順列」、時間軸を入れることで「流れ」をも
った動画になって「ストーリー」ができる。
同じラケットスポーツでいうと、テニスより卓球、卓球
よりバドミントンのイメージ。解説者の1プレーの説明
が長くなる競技、一撃必殺のサーブやスマッシュで片付
かず、前へ後へ緩急をつけて、左右に振って、つないで、
つないでの「順列」で最終的に得点する感じ。>
私たちビッグ・エーでいうところの冊子『正しい価格をつくる。』
に記載している「根拠のある安さ」を創り出す仕組み(流れ)
だなと思いつつ、どこまで一店、一店、一人ひとりが徹底でき
るか、そして更にブラッシュアップを図れるかだと思いました。
最後に、
<競争戦略は「こうなるだろう」という未来予測ではなく、
「こうしよう」という未来に向けた経営者の意志である。
だからこそ、経営者自身が一番面白がって、思わず人に
話したくなるストーリーになっていなければならない。>
と、言われていました。
私は、これを機に提供価値である「根拠のある安さ」を逆算か
ら再考し、更に強固なビッグ・エーのストーリーとしての競争戦
略を創り出したいと思いました。そして、周りの仲間たちが、
もう勘弁してくれというぐらい話しまくりたいと思います。
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