社長のつぶやき
2019年4月22日
パラリンピックを観に行こう!
先日、日本障がい者スポーツ協会常務理事、日本パラリンピック委員会副委員長
高橋秀文さんのご講演を拝聴させて頂きました。
冒頭に、マザー・テレサの名言「愛の反対は憎しみではなく、無関心である」を
引用され、パラスポーツに関心を持ってもらいたいと訴えられました。
ご自身も、現職に就くまでは無関心であったと述べられていました。
そして、パラスポーツを障がいを持った可哀想な人の競技として観るのではなく、
障がいを乗り越えた強い人たちの競技として観てもらいたいと話されていました。
‟ It is ability and not disability that conuts “
(失われたものを数えるのではなく、残された機能を最大限活かす)
両腕のない卓球の選手は、ラケットを口に銜えて競技をします。
では、サーブはどうするのか?
足の親指と人差し指の間にピンポン球を挟み、撥ね上げて打つのだそうです。
パラスポーツの特徴は、障がいを理由にあきらめるのではなく、どうしたらでき
るかの視点でルールや用具を工夫し、不可能を可能にすることにあります。
‟ Impossible“(不可能)の‟I”と‟m“の間に、アポストロフィーを入
れることで ‟ I‘m possible“に変えるわけです。
高橋さんは、あるパラスポーツ選手の自宅に招かれ料理を振る舞ってもらったこ
とがあるそうです。その選手は両腕がないのですが、足を使ってイワシのたたき
を作ってくれました。高橋さんが、イワシのたたきは難しそうで今まで自分で作
ったことがなかったと伝えると、その選手は「せっかく両手があるのにもったい
ないですね。可能性をあきらめないで下さい」と励まされたそうです。
パラスポーツの理念は、障がいも個性の一つとして捉え、一人ひとりの個性を尊
重し、活力ある共生社会を創造することにあります。
「パラリンピアンの力」を通じて「人々に気づきを与える」、心のバリアや物理
的なバリアを減少させ、無限の可能性が広がるという価値観の醸成こそがパラリ
ンピックの意義なのです。
オリンピックは「スポーツの祭典」「平和の祭典」と呼ばれていますが、パラリ
ンピックは「社会変革の祭典」であり「共生社会」実現への絶好の機会なんだと
高橋さんは熱弁を振るわれていました。
2012年ロンドン・オリンピックで日本は当時過去最高となる38個ものメダ
ルを獲得し、8月20日に銀座で50万人もの観衆が声援を送る大凱旋パレード
が催されました。
それは、8月29日からのパラリンピック開会前のことでした。
こんなことは、世界ではあり得ないそうです。
国内では、マスコミや国民からも特段おかしいという声は上がりませんでした。
無関心だったのかもしれません。
折しも、2020年の開催国が決まる前年、オリンピックはいいが、パラリンピ
ックを東京で開催して本当に大丈夫なのかと世界が心配しました。
2013年9月ブエノスアイレスで開催されたIOC総会での最終プレゼンテー
ション、有名となった「お・も・て・な・し」などと合わせ、招致に大きく貢献
したのが女子陸上パラリンピック谷真海(旧姓:佐藤)選手のスピーチでした。
その後、2015年に提出された東京2020オリンピック・パラリンピック大
会開催基本計画には「パラリンピックの評価が大会全体の評価を左右するといっ
ても過言ではない」「パラリンピックの成功が極めて重要」と強調されています。
高橋さんは、その他にもノルディックスキーの新田佳浩選手や水泳の木村圭一選
手など沢山の感動的なお話も教えて下さいました。
「失われたものを数えるのではなく、残された機能を最大限活かす」
“ I‘m possible ”
の精神を痛感しました。
そして最後に、「パラリンピックを観に行こうよ」とより多くの方に広げてほし
いと強く訴えかけられていました。
私も絶対にこのチャンスを逃すことなく、東京2020パラリンピックの競技を
生で観戦したいと思いました。
【追伸】
5年前に制作されたギネスビールの僅か1分強のCMですが、共生社会の在り方
が端的に表現されていて非常に感銘を受けました。
YouTubeでも視聴できます。
“ Guinness beer wheelchair basketball commercial “
最新の記事
アーカイブ
- 2021年
- 2020年
- 2019年
- 2018年
- 2017年
- 2016年
- 2015年