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世界は経営でできている

 新聞の広告欄に岩尾俊兵著『世界は経営 でできている』が載っていました。  老後の人生を成功する人と失敗する人の  意外な違いとは?  飲み残しを放置する夫は経営下手?  張り紙が増えると事故も増える?  仕事から家庭、健康、科学、歴史まで東  大初の経営学博士が明かす武器としての  経営思考 との触れ込みで、初めは行動経済学の本か な?程度で読むつもりもなかったのですが、 表紙に大きく「上司はなぜ無能なのか?」 と書かれていて、端くれとはいえ経営者と してこれはのっぴきならないと、まんまと 買ってしまいました。  内容は、広義の意味での経営視点で貧乏 や恋愛、勉強、仕事などのテーマを捉え、 陥りやすい失敗や問題への対策が説かれて います。  読み始めると身近なあるある事例でわか り易いのですが、ただ本編の端々に作者の 心の声、ジョークがカッコ書きされている のが前半は少し諄く、読み辛くさせている と思うかもしれません。  しかし、途中で読むのを止めてしまうの は勿体ないのがこの本です。  4分の1ほどに温泉浴場の事例が出てき ます。 「すべります!転倒注意!」 「高温のためタオルを置かないで下さい」 「段差があります!」 「洗面器はゆずり合って使いましょう」 「サウナ内での会話はお控えください」 と貼り紙が多すぎて本来の目的だった大け がの予防が妨げられてしまうというグレシ ャムの法則(悪貨は良貨を駆逐する)と、 蛍光ペンや付箋で一杯の教科書や資料とを かけた戒めに考えさせられます。  そして、ちょうど半分の百ページを過ぎ たころ、「世の中の九割九分九厘の人は仕 事をしていない」「顧客不在の仕事は運動 にすぎない」と一刀両断、さらにこの後に 「人は無能になる職階まで出世する」「特 定の職階では優秀だったが次の職階では優 秀でない人」が上司になるから部下が困る のだと続きます。上司こそ成長し続けない といけないのだと論ぜられています。  なによりこの本は、結びの「おわりに: 人生は経営でできている」に著者の伝えた い考えや思いが凝縮されているように思え ました。  ただそれは、それまでの15の章で書か れている本来の経営の欠如、経営概念の誤 解が人や社会を不幸にしているという論拠 が効いているからであるのは確かです。  「価値創造という究極の目的に向かい、 中間目標と手段の本質・意義・有効性を問 い直し、究極の目的の実現を妨げるさまざ まな対立を解消して、豊かな共同体を創り 上げること」が本来の経営だと大上段にこ られては読めなかった、見えなかったもの を学ばせてもらえる一冊です。
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