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社長のつぶやき

2021年6月7日

実力も運のうち?

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人
の仕事の教科書』の6月2日分に作家の宇野
千代さんの「運は自分がこしらえるもの」と
いう文章が載っていました。
 「結局、失恋も運が悪いのも自分がもと。
どんなにね、人から見て運が悪そうだとして
も、ああ、自分は運がいいなあ、なんて運が
いいんだろうと思っているとね、運がよくな
る。」と書かれていました。

 そして、この「運」について異なる視点で
書かれているのが、『これからの「正義」の
話をしよう』や『ハーバード白熱教室』で有
名なマイケル・サンデル氏の新著『実力も運
のうち 能力主義は正義か?』です。
 能力の高いものが成功を得られる資本主義
のしくみは、一見、誰もがチャンスを得られ
るという機会の平等が最もらしく思えるので
すが、決してそうではない。それどころか、
成功した者とそうでない者との格差を生む原
因にもなるというもので、成功しなかった者
は蔑まれ、単なる経済的な苦境だけでなく道
徳的な屈辱と怒りに苛まれてしまっていると
書かれていました。
 そして、能力主義が行き過ぎると不満と憎
悪により国家の分断まで生んでしまいます。
これが今のアメリカであり、トランプ現象や
記憶に新しい今年1月の議会議事堂襲撃事件
にまで発展してしまった背景となります。

 サンデル氏は、「大学の合否をくじ引きで
決めろ」であるとか「金融取引にバンバン課
税しろ」といった振り切った処方箋も提示し
ていましたが、自分の成功は、自分の手柄、
努力の当然の結果とする発想を戒め、大切な
のは感謝と謙虚さであり、社会の共通善に対
する貢献だと説かれていたのが印象的でした。
 また、キング牧師が清掃労働者に贈られた
「ゴミを集める人は、医師と同じぐらい大切」
の言葉の重みが胸に刺さりました。

 この本を読み終え改めて『実力も運のうち 
 能力主義は正義か?』という邦題をつけら
れた方は凄いセンスだなあと唸らされました。
 でもやはり自分としては、宿澤広朗さんの
遺された「努力は運を支配する」という言葉
を信じていたいと思います。

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