社長のつぶやき
2016年10月19日
少子高齢化先進国
昨日の新聞に、内閣府のデフレの定義として「物価の持続的な下落」とあり、
デフレ脱却とは「その状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがないこと」
であると書かれていました。
「デフレ脱却」と同様に、最近の新聞に「人手不足」「1億総活躍」「働き
方改革」「生産性向上」「同一労働同一賃金」といった言葉が載っていない日
はありません。
それらは、今に始まったわけではないのですが、「少子高齢化・人口減少」
といった人口動態に基因するものであります。
『デフレの正体』(角川書店)で有名な藻谷浩介氏は、デフレの根本的原因
を現役世代人口の減少にあると指摘されています。
著書の中で藻谷氏は、生産年齢人口の減少による商品の需要と供給のバラン
スが崩れてしまったことがデフレの主因であり、景気の良し悪しの問題ではな
いと主張され、その対策として、金融緩和ではなく、①増える高齢者の需要開
拓とその利益の若者への還元、②女性就労の促進、③外国人移民ではなく観光
客の国内での消費増加、の3つだと結論づけられていました。
最近の雑誌には、「そもそも人口減少は悲観すべきことではなく、むしろ将
来への希望だ」とも載せられていました。
また、立正大学教授の吉川洋氏も近著『人口と日本経済』(中公新書)の中
で、「人口減だから右肩下がり」という決まり文句、悲観論を排されています。
経済学者シュンペーターの理論を引用され、必要は発明の母という通り、高
齢者が増えていくという社会の変化は、必ず新しいニーズが発生しイノベーシ
ョンの宝の山だと説かれています。
日本の高齢化と人口減は確かに世界でも飛びぬけています。少子高齢化の先
進国でありトップランナーです。
その現実を企業、経営者がどのように捉え、判断、決断、断行していくかで
将来の明るさが変わってくることは間違いありません。
我々ビッグ・エーが展開するハード・ディスカウントストア、リミテッド・
アソートメントストアについて、以前、流通専門誌に「小型店舗で、華美な装
飾はなく、箱積みされた商品を安く買えるフォーマット。高齢化、年金受給者、
単身世帯の増加は、このフォーマットに有利である」と記載されていました。
今後の人口動態も踏まえると、我々ビッグ・エーが世の為、人の為に貢献で
きる可能性、重要性は高いものと思っています。否、そうしなければなりません。
買う人・作る人・売る人みんながハッピーになれる根拠のある安さを我々の自
助努力、「省く」で「安く」を実践していくことで、『正しい価格をつくる。』
を実現することが、必ず少子高齢化先進国の生活者の皆様の日々の暮らしにお
役に立てると確信しています。
少子高齢化 ⇒ 社会保障費の増加 ⇒ 可処分所得の逓減 ⇒ エンゲル係数の増加
⇒ 堅実消費の高まりのスパイラルをチャンスにすべく、『正しい価格をつくる。』
の実現に従業員一人ひとり全社一丸で邁進して参ります。
最新の記事
アーカイブ
- 2022年
- 2021年
- 2020年
- 2019年
- 2018年
- 2017年
- 2016年
- 2015年