居場所
中学1年の時に初めてダウンタウンさんの
誘拐犯ネタを観ました。今までに味わったこ
とのない感覚、まさに衝撃的だったことを鮮
明に憶えています。
そのダウンタウンさんの生みの親である吉
本興業元会長の大﨑洋氏が書かれた『居場所
~ひとりぼっちの自分を好きになる12の
「しないこと」~』を読みました。
「三人目のダウンタウン」と称されている
大﨑氏と松本人志さんや浜田雅功さんとの絆
や信頼関係、多くの芸人さんたちとの裏話は
勿論ですが、社長時代に創業家と決別すべく
420億円の連帯保証人となって吉本興業を
非上場にした時のこと、会長就任直後に明る
みに出た「闇営業問題」の真実や秘話、その
時の心境などとても読み応えがあります。
ただ、それ以上にこの本の魅力は、優しい
関西弁の語り口で著者の人生観や心情に触れ
られ、読んだ誰もが心穏やかになれるところ
ではないかと思います。
私も読み終えて直ぐ、母親にLINEを送
っていました。
きっと人間関係や今の環境、身の置き方に
悩んでいる人にとっては、「ポジティブに行
こう!」とまではいかないものの「ぼちぼち
行こかあ」と少し前向きに不安が解消されて、
最良の拠り所となるのではないでしょうか。
子どもの頃から「大﨑は、わけわからんや
つや。何考えてるかわからへん」と言われ続
けてきたので、何を考えているのか少しだけ
伝えてみようと本を書かれたそうです。
しかし、この本はチャットGPTに相談し
ても解決できない人として大切な何かを示し
てくれているように感じました。
それは、この本に流れる人間味、人間臭さ
からくるような気がしました。