社長のつぶやき
2017年11月29日
未来の年表
数日前、本屋さんで『未来の年表 ~人口減少日本でこれから起きること~』
(河合雅司著)が目に入ったのですが、帯に「30万部!」とありました。
私が買ったのには「6万部!」となっているので、この3ヶ月ほどの間に5倍、
20万部以上も売れてたんだと驚きました。
それ以上に内容はもっと驚かされます。「少子高齢化」「人口減」は言われて
久しいですが、実際にどうなるのか、どんなことが起こるのか、年毎に具体例
が示されています。
2017年 日本人女性の3人に1人が65歳以上
2020年 女性の2人に1人が50歳以上
2022年 単身世帯が3分の1超 一人暮らし貧困高齢者が急増
2024年 3人に1人が高齢者 死亡者は出生数の2倍
2025年 ついに東京都も人口減少 4人に1人が高齢者
2027年 輸血用血液が不足
2030年 デパートも銀行も老人ホームも地方から消滅
2033年 住宅の3戸に1戸が空き家
2035年 男性3人に1人、女性5人に1人が生涯未婚
2039年 火葬場が不足
2040年 地方自治体の半数が消滅の危機
2042年 高齢者が4000万人とピーク
2050年 社会保障制度の破綻懸念と世界的な食料争奪戦
2065年~ 外国人が無人の国土を占領
などなど、第1部「人口減少カレンダー」は、目を背けたくなるような不都合
な真実がこれでもか、これでもかと載っており、正直なところ、ページをめく
るのが億劫になりました。
ただ、序章にある日本の少子高齢化、人口減少は折り紙を半分に折っていって
いるのと同じであるとの喩えは解り易いだけに考えさせられます。
第2部は「日本を救う10の処方箋 次世代のために、いま取り組むこと」と
いうことで、「戦略的に縮む」「豊かさを維持する」「脱・東京一極集中」
「少子化対策」の具体的な方法が書かれていて、第1部とのギャップからかペ
ージをめくるスピードが速まりました。
最後は、「未来を担う君たちへ」というメッセージ、これから日本の将来を担
う中学・高校生や大学生に宛てた手紙で締め括られ、今を生きる大人として責
任を感じさせられました。
そして、この『未来の年表』で最も感銘を受けたのは、148項の第2部序章
『人々は豊かな暮らしを実現するために経験から学び、あるいは先達の知恵を
借りるものである。だが、極めて特異な時代には、こうした手法は通用しな
い。あまりに変化が大きく、しかもスピードが速すぎるためだ。ここからの
未来は、過去からの延長線上にはない。
求められているのは、「これまでのやり方」や過去の常識を否定し、発想を
大胆に転換することだ。この時代を生きる者すべてが自ら考え、解決策を絞
り出す作業である。』の部分でした。
これは、国家に限らず、企業の立場でも同じであると感じました。今後、中長
期的に政策や戦略を考える時、今までのやり方や過去の成功体験は通用しない、
なぜなら取り巻く環境条件が全く変わっているからであり、前例踏襲の先に革
新も変革もないからです。自ら変われるのか?座して死を待つのか?この意識
改革を出来た企業が未来も存在する価値があるのだと思いました。ピンチをチ
ャンス変えるには勇気を持って新たな挑戦をし続けていかねばならない。
この本は、そんなことも考えさせてくれる一冊でした。
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