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2021年12月6日

現代版「殷鑑遠からず」

 中国、唐代の帝王学の書、『貞観政要』に
「殷鑑遠からず」の言葉が数回出てきます。
 「殷鑑遠からず」は、戒めとなる手本は、
古いものや遠くのものを探さなくとも、ごく
身近にあるということの例えです。
 「殷」は中国古代の王朝で、「鑑」は「鏡」、
手本のことを指しています。
 殷が滅びたのは暴君であった紂王が、前代
の夏が滅びた原因である桀王の悪政を戒めと
しなかったからであるという故事に基づいた
格言が「殷鑑遠からず」です。

 一橋ビジネススクール教授の楠木建氏と社
史研究家の杉浦泰氏の共著『逆・タイムマシ
ン経営論』は、この「殷鑑遠からず」の現代
版のような内容でとても感銘を受けました。
 新聞やテレビ、特にネットなどのファスト
メディアから最新情報が溢れ、バズワードが
拡散される現代において、本質を見極められ
る戦略思考と経営センスを磨かないと偽物の
言説や同時代の空気(ノイズ)に惑わされて
誤った経営判断をしてしまうというものです。

 この同時代の空気(ノイズ)のことを本著
では、「同時代性の罠」と呼び、流行の経営
手法や旬のツール、技術革新など、特に新し
いカタカナやアルファベットの頭文字をとっ
たキーワードには気をつけるよう注意喚起を
促されています。
 そして、その「同時代性の罠」に陥らない
ために近過去へ遡ること、新聞や雑誌(情報)
を寝かして読むことを薦められています。
 過去を確定している事実として、「パスト
フルネス」を推奨しているのが『逆・タイム
マシン経営論』です。

 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
ドイツのビスマルクの言葉ですが、本著には
このような『逆・タイムマシン経営論』に繋
がる数多くの賢者の言葉が引用されています。
 米国投資家のウォーレン・バフェット氏の
「潮が引いた後で誰が裸で泳いでいたかが分
かる」や「我々が歴史から学ぶべきことは、
人々が歴史から学ばないという事実だ」と、
どれも非常に考えさせられる内容でした。
 近過去の歴史から本質的な論理を見極め、
センスに磨きをかけ、大局観を体得する必要
性が情報過多の今を生きるビジネスパーソン、
とりわけ経営人材には求められていることを
現代版「殷鑑遠からず」は教えてくれる秀逸
な一冊です。

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