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2021年9月27日

良い戦略、悪い戦略 ②

 リチャード・P・ルメルト著『良い戦略、
悪い戦略』には、アップルやウォルマート、
トヨタやセブンイレブンなどの多くの企業
戦略だけでなく、アメリカの国家安全保障
や国防計画、ローマ帝国や湾岸戦争など多
面的に戦略が分析されていて非常に興味深
い内容です。

 この本の日本での出版は、2012年6
月22日1版1刷となっているのですが、
まさに今、世界的な懸案となっているアフ
ガニスタン問題についても戦略の観点から
言及されています。

 「9・11から9年経ってもビンラディ
ンは捕捉されず、アメリカは相変わらずア
フガニスタンでタリバン相手に低強度の戦
闘を断続的に行っていた。アフガニスタン
でのアメリカの基本的な戦略は、住民がタ
リバンから離反し政府を支持するように仕
向けることである。このアプローチはイラ
クではうまくいったが、そこには、国民が
強い中央集権政府に慣れていたという背景
があった。だがアフガニスタンは軍事指導
者が群雄割拠する封建的な社会であり、住
民は地元の権力者に忠誠を誓う。アフガン
政府はアメリカの後ろ盾を得て首都カブー
ルだけは何とか治めていたが、そこを一歩
出れば腐敗と非効率が横行し、タリバンの
恐怖戦術が住民に対して残酷な力を発揮し
ていた。アメリカや政府による保護は一時
的であり、地域的にも限られている。しか
も厄介なことに、タリバンは正規軍ではな
い。したがって制服を着用していないうえ、
アフガニスタンでは誰もが武装している。
誰がタリバンで誰がそうでないのか、見分
けがつかなかった。
 十分なリソースと長い時間をかければ、
これらの問題も解決できるかもしれない。
だが市民もタリバンも、アメリカが撤退
すると知っている。
 ≪中略≫
 いずれ撤退するとわかっているアメリ
カ軍の手先になったら、タリバンが復権
したときどうなるのか、少し考えれば誰
にでもわかることだ。
 ≪中略≫
 アフガニスタンの状況では、忍耐強く
待つことができ、かつ自軍の犠牲や市民
の巻き添えに無頓着な側が有利になる。
すなわちタリバンの方が有利であり、彼
らはその優位を存分に活かしている。」

 先月末にアメリカ軍はアフガニスタン
から完全撤退しました。そして、アフガ
ニスタンでは、タリバン主導の統治に戻
りました。10年前に書かれたこの本の
通りになってしまったということです。
わかっていたことなのです。
 良い戦略のないところに、国も企業も
良い結果は望めないという実例の1つな
のでしょう。政治家にとっては国民や市
民、企業の経営者にとっては従業員とそ
の家族の幸せを担うに当たり、良い戦略
なしに実現はあり得ないということです。
 肝に銘じておきたいところです。

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