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2021年12月20日

逆・タイムマシン経営論

 『逆・タイムマシン経営論』(楠木建・杉
浦泰著)には、経営判断を惑わしたり、誤ら
せてしまう「同時代性の罠」に陥らないため、
近過去の歴史を検証し本質を見極めることの
重要性が説かれています。
 過去にもてはやされ次々と消えていったテ
クノロジーやビジネスツール、言説の実例が
少し昔の新聞やビジネス誌をもとに数多く紹
介されていて興味をそそられます。
 そして、この「同時代性の罠」について、
3つのタイプに分類されています。

 1つ目が「飛び道具トラップ」
 AIやIoT、オープンイノベーション、
サブスクリプションなど成功事例が喧伝され、
その時代の人々が「これからは、これだ!」
と飛びついてしまうものです。
 2つ目は「激動期トラップ」
 「〇〇年に1度の××」や「○○3.0」
といったマジックワードやセグウェイ、3D
プリンター、グーグルグラスなど世の中を一
変させると謳われた革新的製品も対象となり
「てえへんだ、てえへんだ、乗り遅れるな!」
と思い込まされてしまうものです。
 3つ目は「遠近歪曲トラップ」
 遠いものほど良く見え、近いものほど粗が
目につくというバイアスで、シリコンバレー
礼賛、外資系=黒船=脅威、日本はもうダメ、
昔は良かったといった隣の芝は青く見えてし
まうというものです。

 中でも多くのページが割かれいたのが人口
問題でした。今ではすっかり、人口減少が何
もかもの諸悪の根源的な風潮となっています
が、つい40年ほど前までは人口増加が食糧
難や住宅難、公害問題を引き起こす諸悪の根
源とされてきたのだと遡ります。その解決策
として、南米を中心とした海外への移民や育
児制限まで国策として促されました。要する
に、人口は増えても減っても諸悪の根源にさ
れるのだと。
 現在、日本は人口減少で衰退するといわれ
ているわけですが、日本の人口は世界11位
の1億2600万人で、ドイツは8400万
人、イギリスは6800万人、スウェーデン
1000万人、スイス870万人です。
そもそも人口の増減はメガトレンドで逆ら
おうとしても勝ち目はない。だからこそ、人
口減少を逆手に取って将来7000万人時代
を見据えたポジティブなビジョンを描いた方
が得策であり、それこそがリーダーの役割な
んだと書かれていました。

 人は夏になると「暑い暑い」と言い、冬に
なると「寒い寒い」と言う。でも、リーダー
まで一緒になって「暑い暑い」「寒い寒い」
と言っているようでは話にならない。
 それこそ「人口が減って右肩下がりで閉塞
感が…人口増の時代は良かった」と言ってた
ところで仕方がない。
 夏に「今は少なくとも寒くない、だからこ
ういうことができる」と考えられるのが本当
のリーダー、表面的な脅威の裏には常に大き
な機会が潜んでいるものと記されていました。
 『2030年ビジネスの未来図』の中でも
楠木教授が説かれていたことですが、まさに
「ピンチはチャンス」いや「ピンチがチャン
ス」と捉え、明るい未来を示せる経営者であ
りたいものだと考えさせられる一冊でした。

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