社長のつぶやき
2019年4月8日
韓流店
先月末、正味2日間の強行軍だったのですが韓国DS業界の雄であるEmart社
を勉強させて頂きました。
今回、視察先では、それぞれの店舗の店長から、省人化の進む3温度帯一体型の物
流センター・オンラインセンターではセンター長から、直接お話を伺い、質疑応答
も受けて頂きました。
また、Emart本社では副社長や幹部の方々とのディスカッションもさせてもら
い、大変有意義な機会を得ることができました。
Emart社は、サムスングループから独立した新世界グループが1993年に韓
国初となる大型DS業態として設立しました。
現在は、ハイパーマートの『イーマート』を中核に、CVSの『イーマート24』
などマルチフォーマットを展開し、韓国内のシェアは15%を超えています。
韓国版コストコと呼ばれる倉庫型業態の『トレーダーズ』は、看板さえ見なければ
まさにコストコでした。
売上構成も食品:非食品が6:4、パレット納品・パレット陳列、SRPやFRM
なども非常によく似ており、コストコを研究し尽していると感じました。
違いとしては、品数がコストコの6,000SKUに対して,トレーダーズは4,
000SKUと絞り込まれていて、年会費も不要なので視察した店舗は開店前から
長蛇の列でした。
実際に、韓国にあったコストコ14店舗が撤退に追いやられたのもこのトレーダー
ズの影響が大きいとのことです。
『No Brand』は韓国唯一のHDS業態で、ドイツのALDIやLiDLを
徹底的にベンチマークして造られました。面積は約100坪と当社のプロトタイプ
と同様で、ローコストオペレーションなど類似点も多かったです。
日販は、平日80万円、週末100~120万円/日、お客様お一人当たりのお買
い上げ点数は10点前後、平均単価1,600~1,700円、品数は1,500
SKU程度でPBはNBよりも4割安く設定されているとのことでした。
現在、韓国内140店舗を展開されていますが、これが3年前からということです
から、計算すると毎週1店舗を出店し続けてきたことになります。
また、『ピエロ・ショッピング』は、日本のPPIH社が展開するドン・キホーテ
を完コピしたような店舗でした。
パーティーグッズやおもしろ雑貨、家電やレジャー用品、HBCとお菓子などの食
品が迷路型に圧縮陳列されていて、テーマソングも流れ、キャラクターのペンギン
がピエロに代わったぐらいで、ドン・キホーテそのものでした。
半年前に1号店を出し、現在6店舗目とのことですが、日本でのドン・キホーテの
評判や逆に韓国に乗り込んで来られた時のことも想定しての展開だと感じました。
今回の視察で、十数年前にウォルマートが韓国から撤退を余儀なくされた理由を思
い知ったような気がしました。
Emartの強さは、商流・物流・情報流など多岐に渡り相関しているものである
のは間違いありませんが、特に驚愕させられたのは会社に脈々と流れる「徹底力」
と「スピード」のDNAでした。
徹底的にベンチマークし、「Try & Change」の精神でスピード展開する。
この「徹底力」と「スピード」に感動すら覚えるとともに、自分たちがそれを即刻
実行していかなければならないと背筋が伸びる思いがしました。
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